ど素人がレバーレスコントローラーを自作してみた話①

デバイス

スト6を始める以前から、格闘ゲームは多少嗜んでいた。

ガチ勢とは程遠いものの、格ゲー用のコントローラーもいくつか持っていて、当時メイン候補として使っていたのが「リアルアーケードPro.3」と「Hit Box」だった。

リアルアーケードPro.3はいわゆる普通のレバー付きアーケードコントローラー。

一方のHit Boxは、レバーの代わりに方向入力までボタンで操作する「レバーレスコントローラー」だ。

ウメハラ選手が使用したことでHit Boxが一気に注目を浴びた頃、ミーハーな自分も一度試してみたくなり、ほとんど勢いだけで購入したのを覚えている。

昇竜拳の簡易入力に感動してレバーレス派へ

スト6を始めた当初は、レバーとレバーレスのどちらをメインにするか決めかねていた。

そんな自分をレバーレス側へ一気に引っ張ったのが、昇竜拳の簡易入力、いわゆる「藤村式」だった。

レバーレスならではの入力方法を知って、「こんなに簡単に昇竜が出せるのか」と、かなり感動した。

それをきっかけにHit Boxをメインコントローラーに決定。それ以来、現在に至るまで基本的にはレバーレスコントローラーを使い続けている。

発売当初のスト6では、ドライブラッシュキャンセルを出すためにダッシュ入力が必要だったことも、レバーレスを選んだ理由の一つだった。

方向入力をボタンで行うレバーレスは、素早くダッシュを入力しやすい。

もっとも、この仕様はその後のアップデートで変更され、パリィボタンを使ってラッシュキャンセルできるようになった。

それでも、この頃には完全にレバーレス操作に慣れてしまっていた。

Hit Boxを使っているうちに出てきた不満

しばらくはHit Boxで特に不満なくスト6をプレイしていた。

しかし、だんだん一つ気になることが出てきた。

「ボタン、もう1個欲しくない?」

当時使っていたHit Boxのアクションボタンは、基本となる8ボタンのみ。

もちろん、それでもスト6をプレイすること自体はできる。

ただ、自分としては最低でもあと1つ、押しやすい位置にパリィ専用ボタンが欲しかった。

スト6ではドライブパリィを使う機会が非常に多い。

せっかくなら、自分が一番押しやすい位置に専用ボタンを置きたい。

ところが当時使っていたHit Boxには、気軽にボタンを追加できるような拡張性がなかった。

ケースに穴を開けて無理やり増設することも考えたが、天板は簡単に穴を開けられるような作りでもない。

そもそも、わざわざ高価なHit Box本体を加工するのも少し気が引ける。

そこで思った。

「それなら、最初から自分で作ればいいんじゃないか?」

ここから、自分のレバーレス自作が始まった。

適当な箱に穴を開ければコントローラーになるらしい

とはいえ、自分には電子工作の知識などほとんどない。

コントローラーを自作した経験も当然ゼロ。

完全な素人である。

それでもネットでいろいろと調べてみると、意外と自作している人は多かった。

基本的な構造も、想像していたほど複雑ではない。

適当な箱を用意する。

ホールソーでボタン用の穴を開ける。

そこにアーケードコントローラー用のボタンを取り付ける。

そして、ボタンと基板を配線する。

自分が使ったのは「Brook Zero-Pi Fighting Board」。

あとは必要なケーブルやハーネスを購入し、調べながら配線していけばいい。

「これなら自分でも作れるかもしれない」

そう思い、人生初の自作レバーレスコントローラー製作に挑戦することになった。

初号機は、とにかく手作り感がすごかった

実際に作ってみると、コントローラーとしてはちゃんと動いた。

自分で決めた場所にボタンを配置できる。

欲しかったパリィボタンも追加できる。

ゲームをするという目的だけを考えれば、十分成功と言っていい。

……のだが。

完成したものを見てみると、どうにも満足できない。

まず、「手作りです!」というオーラがあまりにも強い。

何種類か箱を変えて試してみたものの、なかなかしっくりくるものが見つからなかった。

特に困ったのが箱の厚みだった。

自分はコントローラーを膝の上に乗せてプレイするため、薄すぎても厚すぎても使いにくい。

市販のケースは当然アケコン用に作られているわけではないので、ちょうどいいサイズを探すのが意外と難しかった。

さらに、自分でホールソーを使って穴を開ける関係上、加工しやすいプラスチック製の箱を選んでいたのだが、これも剛性という意味ではいまひとつだった。

ボタンを押したときの感触も、市販のアケコンとはどこか違う。

見た目も、操作感も、「これだ!」と思えるものにはならなかった。

↓色んな箱で作ってみた黒歴史たち

市販の黒い箱で自作したレバーレスコントローラー
市販の透明な箱で自作したレバーレスコントローラー
市販の小さめの箱で自作したレバーレスコントローラー3

それでも、自作コントローラーはめちゃくちゃ楽しかった

そんなわけで、自作レバーレス第1号は、完成度という意味では決して満足できるものではなかった。

ただ、不思議なことに後悔はまったくなかった。

むしろ、ものすごく楽しかった。

自分が押しやすいと思った場所に、自分でボタンを配置する。

そして、その自分で作ったコントローラーをPCにつなぐ。

スト6を起動する。

ボタンを押す。

ちゃんとキャラクターが動く。

ただそれだけのことなのだが、「自分が作ったコントローラーでスト6が動いている」という事実が、なぜか無性に楽しかった。

市販のコントローラーでは味わえない感覚だった。

「次はボタンの位置を少し変えたらもっと使いやすいんじゃないか」

「もう少し薄い箱なら膝置きしやすそう」

「このボタンをこっちに置いた方がいいかもしれない」

一つ作ると、次々と改善したいところが見えてくる。

この時点ですでに、自作沼への入り口に片足を突っ込んでいたのだと思う。

思っていたよりハードルは低かった

実際にやってみて意外だったのは、自作レバーレスは思っていたほど難しくなかったことだ。

もちろん、最初は知らないことばかり。

必要なケーブルも分からない。

ハーネスが何なのかもよく分からない。

配線も分からない。

しかし、そのあたりは調べれば情報がかなり出てくる。

自分もほぼ知識ゼロの状態から、ネットで調べながら作った。

工具についても、ボタン穴を開けるためのホールソーなど多少は必要になる。

それでも、自分の場合は工具まで含めてもHit Boxを購入するより安く収まった。

もちろん、市販品には市販品の完成度や安心感があるので、単純な価格比較だけで自作の方が優れているとは思わない。

それでも、

「自分好みのボタン配置にしたい」

「工作そのものが好き」

「市販品にはないコントローラーを使ってみたい」

という人にとって、自作レバーレスはかなり面白い遊びだと思う。

何より、作ること自体が楽しい。

そして自作沼へ

こうして完成した、自作レバーレス第1号。

正直なところ、見た目も使い心地も満足のいく出来ではなかった。

市販品と比べれば、明らかに粗い。

それでも、「自分の好きなようにコントローラーを作れる」という面白さを知るには十分だった。

そして当然のように考え始める。

「もう少しちゃんとしたケースで作ったら、かなり良くなるんじゃないか?」

この考えが、その後さらにレバーレスを作り続けるきっかけになる。

ここから、自分の自作レバーレス沼が本格的に始まっていくことになった。

――続く。

次回の記事:ど素人がレバーレスコントローラーを自作してみた話②

「ど素人がレバーレスコントローラーを自作してみた話」シリーズ
ど素人がレバーレスコントローラーを自作してみた話①
ど素人がレバーレスコントローラーを自作してみた話②
ど素人がレバーレスコントローラーを自作してみた話③
ど素人がレバーレスコントローラーを自作してみた話④

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