テイルズシリーズのおもひで④ テイルズ オブ デスティニー2

テイルズ

「運命を解き放つRPG」――テイルズ オブ デスティニー2

2002年にPlayStation 2で発売された『テイルズ オブ デスティニー2』。

PlayStation 2の発売から約2年半。

ついにPS2で遊べるテイルズシリーズが登場した。

しかもタイトルは、あの『テイルズ オブ デスティニー』の「2」。

それまでのテイルズシリーズは、『ファンタジア』『デスティニー』『エターニア』と作品ごとにタイトルが変わっていたため、ナンバリングタイトルであることが逆に特別に感じられた。

前作『デスティニー』の物語がどのようにつながっていくのか。

そして、新しいハードになったテイルズはどれほど進化しているのか。

当時はかなりワクワクしながらプレイを始めた記憶がある。

倉木麻衣「key to my heart」と美しいアニメーションOP

もちろん今作でも、シリーズ恒例のアニメーションによるオープニングは健在。

テーマソングは、倉木麻衣さんの「key to my heart」。

爽やかな草原で、メインキャラクターたちが風に吹かれているシーンから始まり、穏やかな曲調とともに物語の世界へと引き込まれていく。

母ルーティに見送られ、カイルが旅立つ場面では、「限りない夢を詰め込んで今旅立つ」という歌詞がちょうど重なる。

仲間たちと旅をする場面。

激しい戦闘シーン。

そして、どこか神秘的な雰囲気をまとったヒロイン・リアラ。

序盤の落ち着いた雰囲気から、サビに向かって徐々に力強さを増していく曲と映像が非常によく合っていて、これから始まる冒険への期待を大きく膨らませてくれるオープニングだった。

新ハードであるPS2の映像で描かれるテイルズの世界に、感動したものだった。

私にとって最後の「ドット絵のテイルズ」

PS2になったことで、ゲーム画面も大きくパワーアップしていた。

『エターニア』でもかなり綺麗になったと感じていたドット絵が、さらに高精細になり、キャラクターたちも滑らかに動く。

初代PlayStationの発売以降、3Dモデルを採用するゲームがどんどん増えていた時代。

そんな中で、より美しく、より滑らかになった『デスティニー2』のグラフィックを見て、ドット絵が好きだった自分としては、ドット絵はまだまだこれからのゲームでも通用する表現なんだと感じ、嬉しく思ったものだった。

だが結果的に、『デスティニー2』は私にとって最後のドット絵で描かれたテイルズとなった。

私がこのあとプレイしたシリーズ作品では、キャラクター表現が3Dモデルへと移っていったからだ。

もちろん3Dには3Dならではの良さがある。

それでも、ドット絵のテイルズが今でもかなり好きだ。

十分な表現力を持ちながら、リアルになりすぎず、ドット絵ならではの想像の余地や温かみも残っている。

個人的には、ドット絵という表現方法がひとつの完成形に近づいていた時代だったようにも思う。

だからこそ、これ以降、自分がプレイするテイルズからドット絵がなくなっていったのは少し残念でもあった。

爽快だけど、適当に攻めるだけでは勝てない戦闘

戦闘も『デスティニー2』で印象に残っている部分のひとつだ。

基本的にはこれまでと同じ、横方向に動きながら通常攻撃や技をつないでいくテイルズらしいアクション戦闘。

ただ、今作ではSP(スピリッツポイント)というシステムが加わり、これまで以上に攻め方を考える必要があった。

攻撃や防御といった行動によってSPが増減するため、ひたすらボタンを押して攻撃し続ければいいというわけではない。

SPが少なくなった状態で無理に攻め続けるより、一度距離を取って態勢を整える。

当時の自分にとっては、この「攻め続けるだけではダメ」という感覚がかなり新鮮だった。

さらに術技には従来どおりTPも存在するため、SPとTPの両方を意識しながら戦うことになる。

一方で、攻撃がうまくつながったときの爽快感はしっかりとテイルズらしい。

通常攻撃から特技、奥義へとつなぎ、仲間の術も入り乱れる中で敵を一気に押し込んでいく。

高精細になったドット絵のキャラクターが画面内を激しく動き回ることもあって、見た目の派手さもかなり増していた。

『エターニア』の時点でも戦闘はかなりスピーディーになっていたが、『デスティニー2』ではそこにSPという要素が加わったことで、爽快さだけではなく、攻め時と引き際を考える面白さが強くなったように思う。

当時の自分には少し難しく感じる部分もあったが、それも含めて印象に残っている戦闘システムだった。

英雄の息子・カイルと、英雄を探す少女・リアラ

物語の舞台は、前作『テイルズ オブ デスティニー』から18年後。

主人公は、前作で世界を救ったスタンとルーティの息子、カイル・デュナミス。

世界を救った英雄を両親に持つ少年だ。

偉大な両親の存在はカイルにとって誇りであり、彼自身もまた「英雄」になることを夢見ていた。

そんなカイルの前に現れるのが、ヒロインのリアラ。

彼女は「英雄」を探しているという謎の少女だった。

英雄に憧れる少年と、英雄を探す少女。

この二人の出会いから、『デスティニー2』の物語は大きく動き始める。

カイルとリアラは、これまでのテイルズシリーズの主人公とヒロインの中でも、特に「少年と少女」という印象が強かった。

まだ未熟な二人が出会い、旅をして、さまざまな出来事を経験しながら成長していく。

いわゆるボーイミーツガール、そしてジュブナイル的な魅力は、これまでのテイルズシリーズにも共通するものだが、今作は特にその色が濃い作品だったと思う。

時空を超えて描かれる「運命」の物語

物語が進むにつれ、カイルたちは過去や未来を行き来する、時空を超えた戦いへと身を投じていくことになる。

その中で少しずつ明らかになっていく、世界の真実。

そしてリアラという存在が持つ意味。

やがてカイルは、自分にとって何が大切なのか、そして「英雄」とは何なのかを問われる大きな選択に直面する。

父親であるスタンという偉大な英雄の背中を追いかけていた少年が、リアラや仲間たちとの旅を通じて、自分自身で考え、自分自身で選択できる人間へと成長していく。

『デスティニー2』は、そんなカイルの成長物語でもあった。

少しダークで、それでも美しい世界

『デスティニー2』の世界には、どこかダークな雰囲気がある。

物語の中では「人々が幸せに暮らせる世界」という、一見すると理想的にも思えるものが描かれる。

しかし、その「幸せ」が本人たちの意思によるものではなく、誰かによって与えられたものだとしたら、それは本当に幸せなのか。

そんな少し重たいテーマも描かれている。

一方で、ゲーム全体の印象が暗いわけではない。

カイルとリアラの初々しい関係や、仲間たちとの掛け合い、美しいファンタジー世界、そして冒険。

葛藤、決断、仲間、成長。

テイルズシリーズではおなじみともいえる要素だが、『デスティニー2』はその中でも特に少年少女の成長物語としての色が濃かったように思う。

爽やかなOPとは対照的に、物語が進むほど背負うものは重くなっていく。

それでも前へ進もうとするカイルたちの姿が印象に残る作品だった。

前作『デスティニー』のキャラクターたちとの再会

そして『デスティニー』の続編ということで、前作のキャラクターたちが登場するのも大きな魅力だった。

スタンとルーティはもちろん、前作をプレイしていれば思わず反応してしまうキャラクターが登場する。

中でも個人的に印象深かったのが、前作であまりにもやるせない結末を迎えたリオン・マグナスにまつわる物語だった。

ここから先は、『デスティニー2』の重要なネタバレを含む。


※以下、『テイルズ オブ デスティニー2』の重要なネタバレを含みます。

今作に登場する仮面の剣士「ジューダス」。

その正体は、前作『デスティニー』に登場したリオン・マグナスだった。

正体についてはゲーム中でも徐々に明らかになっていくのだが、前作をプレイしていた身としては、その存在自体がやはり特別だった。

そして、人によって解釈は異なるのかもしれないが、今作の結末はジューダスにとっても救いのあるものだったように思う。

前作では人気キャラクターでありながら、あまりにも悲しい結末を迎えたリオン。

そんな彼の物語に、時を経てひとつの救いが与えられた。

これも『デスティニー2』というタイトルだからこそ味わえる魅力のひとつだったと思う。

PS2で始まった、新しいテイルズ

『テイルズ オブ デスティニー2』は、PS2という新しいハードで発売された最初のテイルズシリーズだった。

より美しくなったグラフィック。

滑らかに動くドット絵。

倉木麻衣さんの「key to my heart」とアニメーションによる印象的なオープニング。

そして、英雄の息子カイルと謎の少女リアラによる、時空を超えたボーイミーツガール。

前作『デスティニー』とのつながりを持ちながらも、「英雄とは何なのか」「自分で運命を選ぶとはどういうことなのか」という、カイル自身の物語として描かれていた作品だった。

個人的には、この作品を最後に「ドット絵で描かれるテイルズ」とはお別れすることになった。

当時は当然、そんなことを意識してプレイしていたわけではない。

ただ、今になって振り返ると、PS時代から続いてきたテイルズと、これから始まるPS2時代のテイルズ。

そのちょうど境目にあった作品だったように思う。

そして何より――

少年が少女と出会い、世界を巡り、悩み、最後には自分自身で運命を選ぶ。

そんな王道の物語が、『デスティニー2』の一番の魅力なのかもしれない。

次回の記事:テイルズシリーズのおもひで⑤ テイルズ オブ シンフォニア

前回の記事:テイルズシリーズのおもひで③ テイルズ オブ エターニア

「テイルズシリーズのおもひで」シリーズ
テイルズシリーズのおもひで① テイルズ オブ デスティニー
テイルズシリーズのおもひで② テイルズ オブ ファンタジア
テイルズシリーズのおもひで③ テイルズ オブ エターニア
テイルズシリーズのおもひで④ テイルズ オブ デスティニー2
テイルズシリーズのおもひで⑤ テイルズ オブ シンフォニア

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